今日も酒を言い訳に。

メンヘラの恥ずかしい毎日

1年4組であたしだけ幸せにしてよ

今日会社でゲロを吐いた。

 

なんでもないことだった。

会社で誕生日の話になり、上司が

俺の嫁、誕生日11月11日でポッキーの日やねん」

と言った。これがダメだった。

涙が出そうになりながらエクセルの画面を眺めた。マスクの中で口をギュ〜ッと閉めた。でも耐えられなくてハンカチを持ってトイレに行った。

大泣きはしなかった。涙が何個か流れただけだった。軽傷で済んでよかった。鏡を見たらアイラインが滲んでいなくて安心した。ささっと席に戻った。普通にうんこしたくらいの時間しか泣かなかったのは、私にとっては成長だった。

 

高校でいじめにあった。きっかけはある女の子の悪意だった。(いじめられる方にも原因があると思うし、当時の私はいじめられそうな女の子だったが、この時のことはクラスメイトが100%悪いと思う事でしか自分を保てないので、そういう意見は聞く気がない。あいつらが悪い)ゴールデンウィークには友達がいなかった気がする。クラス全員から無視され、不登校になった。たまに学校に行くと、机にゴミとかガムが入れられていた。

その日も、たまたま学校に行った日だったんだと思う。勇気をだして教室に入った日だったんだと思う。だって夏休みには不登校だった私が11月にまともに学校に通っているわけがないのだから。

うちの学校は校則が厳しくて、携帯もお菓子も禁止。だから授業の合間の10分休憩は地獄だった。友達ゼロの私にはめちゃくちゃ長かったし、あたしに嫌がらせした子達が楽しそうに笑っているのを見ないといけないのが拷問のようだった。なんで、この子達楽しそうなんだろう、笑っていることすら許せない、そう思うけれど、心の中では怒っているけれど、その時の私は声もほとんど出なくて、何も出来なくて、ただ時間が過ぎるのを待つだけだった。

 

昼休みが1番きらいだった。誰も来ない図書室の、勉強をするために区切られた机で静かにしていたと思う。ひとりでご飯を食べるのが嫌で、便所飯をしようとした日が1日だけあるが、「みんなでトイレいこ!」みたいな子達がトイレに来るせいで、トイレにすら居場所がなかった。臭い場所で味のないお米を静かに噛み締めながら、声も出せずに泣くだけだった。それからと言うもの、私のお昼ご飯は水筒に詰めたウィダーインゼリーだった。もちろんそんなもので腹が埋まるわけもないが、ひとりでご飯を食べるよりずっとマシだった。あたしに嫌がらせをした子達がはしゃぐ声を聴きながら、笑われながら食う飯より、静かな図書室でウィダーインゼリーを飲む方がマシだった。

昼休みが終わる10分前に、ゆっくり歩きながら教室に戻っていた。その日は11月11日のポッキーの日で、みんながポッキーを片手に楽しそうにはしゃいでいた。

「あげる!」

「味交換しよ!」

そんな感じだった。普段はお菓子は禁止。なのに、この日は先生も黙認していた。

私はもちろん貰えない。みんながあまりに楽しそうで辛かった。いつもの100倍楽しそうだった。体育祭や文化祭みたいな日だった。誰もあたしとは話してくれないのに、それをずっとみせられていた。(書きながら涙でてきた)

この後どうしたかは覚えていないが、多分帰って家でずっと泣いてたと思う。テレビを見てもポッキーのCMばかり、Twitterを見ても「ポッキー」という投稿ばかり、逃げる場所はなかった。

父と母に泣きながら話したら「ポッキー買ってこようか?」としょんぼりした顔で言われた。「そういうことじゃないもん」と、余計泣いた。

学校の校則ではダメなのに、なんで今日はポッキーOKなの?と思っていたけれど、今なら理由がわかる。先生は陽キャが好きだから、それだけ。

次の日、いつも通り学校を休んだ。1番近くのお店でトッポを2つ買った。ポッキーにしなかった理由は「トッポの方がチョコが多くて優秀で、お前らよりあたしの方が幸せ」と思いたかったから。泣きながら食べた。美味しかった。けどこんなのがしたかったわけじゃなかった。

 

今日は上司のその発言以降、何となくぼやぼやしていた。エクセルを眺めながら、高校の出来事を思い出して、気持ち悪くなってまたトイレに行った。軽めのゲロを吐いた。

帰り道も泣いた。今日は雨で、傘をさしていたから、多分そんなに泣き顔を見られていないと思いたい。

 

高校では嫌なことがたくさんあった。単位がギリギリで留年しかけて、冬に辞めた。

高校2年生の終わり頃に「あの子たちよりも良い大学に行く」と決めた。大嫌いなクラスメイト達のほとんどよりは、良い大学に行けた。

勉強している時は「この大学に入れたら、あたしはあの高校の呪いから救われる」と思っていた。

第1志望の大学を出た。整形して前より可愛くなった。それなりに入りたかった会社に入って、やりたかった仕事を任されつつある。めちゃくちゃかっこよくて、優しい彼氏も出来た。ぱっと思いつく嫌なことはない。

 

それなのに、なんで、こういう時にあたしの邪魔をするの?

 

結局どれだけ幸せになっても、あたしはあの頃に囚われている。

あなた達は1年生の冬に高校を辞めたクラスメイトの事など忘れているでしょう。

あたしは色んなところで、今日みたいに思い出すよ。体育祭も、文化祭も辛かった。けれどそれには日付がないし、大人になったらその話をすることなんかほとんどない。ただ、ポッキーの日だけは毎年ある。馬鹿馬鹿しい。やめたらいいのに。

 

あの時があたしの人生で1番辛い時だと言いきれる。あれより辛い時期がずっと続くことは二度とない。だって、まわり全員から無視されることなんか絶対ないもんね。

なにか乗り越えられない壁にぶつかった時、あたしはあの高校の校歌を歌う。あの時よりはマシだなって思えるから。

 

あの高校では、ここにいちいち書いていられないほど、山ほどのトラウマを植え付けられている。何かある度に思い出して泣くよ。お前らはあたしのこと覚えてないけど。

けど、覚えてて欲しいわけじゃないの。ただ、絶対あたしより不幸になって欲しいの。あたしだけいじめの後遺症背負って生きるのとか超御免。絶対無理。お前ら前科あるくせに普通に生きすぎ。

神様、もしいるのなら、1年4組のみんなを絶対絶対絶対絶対不幸にしてください。あと、ポッキーの日は無くしてください。