中途半端なブス
初めて顔で泣いたのは19の時だった。
別に自分のことを美人だと思っていた訳では無いが「まぁなんとか生きていける顔」だと思っていた。
それが「もうこの顔では生きていけない」と思い始めたのがその頃だった。
理由は大学では顔が全てを左右しすぎること、当時好きだった男が「美人しか無理」といった内容の話ばかりしてくること、間接的に「ブサイクだよね」と言われることが多すぎたことなど、色々あった。
私はいきものがかりのボーカルとか、にゃんこスターのアンゴラ村長とか、そういった類の顔をしていた。
別にめちゃくちゃなブスでもないけれど、可愛いかと言われたら、彼女にしたいかと言われたらそうでは無い顔、いわゆる「ちょうどいいブス」であった。
その後、ダイエットや整形で、今はちょっと違う顔をしている。
でも、あたしの元の顔はそんなに良くない顔だったんだろうか。
可愛くはなかったけど、風俗して、整形するほどじゃないと思う。
整形はして良かった。今でブスに変わりはないけど、前より生きやすくなった。小マシになった。
ブスだと気づいて整形するのと、ブスの呪いにかからず生まれてきた時の顔で生きるの、どっちが幸せだったのかは全く分からない。
今の顔の方が好きだけど、ブスだと気づく前の方が自撮りが楽しかった。
簡単に整形を「努力」とか「肯定派」とか言わないで欲しい。
生まれてきた時の顔だって悪くなかったかもしれないでしょ?
そういう顔で生きて見ても良かったのかもしれないでしょ?生きてみたかったでしょ?自分の顔を愛したかったでしょ?
ま、その顔ではその顔なりの人生しか歩めないけどね。女は顔が人生を左右しすぎるから。